今回から久々に製作過程を題材にした記事を書いてみようと思います。選択したキットはタミヤから発売されている「ドイツ重戦車キングタイガー」です(キットの正式名称は「ドイツ重戦車キングタイガー(アルデンヌ戦線)」)。この戦車も、タイガーI戦車と同様に説明が不要なほど有名な、第二次世界大戦中に登場したドイツ軍戦車ですね。

私としては久しぶりのミリタリーミニチュアシリーズの製作となりますが、本格的な組み立てに入る前に、キットの紹介とキングタイガーについて、キットの説明書を引用しつつ私の思いを交えながら説明したいと思います。
キングタイガーは、第二次大戦後期の1944年に登場したドイツ軍の重戦車です。最初に試作された50輌はポルシェ社設計の砲塔を搭載していたのに対し、量産型はヘンシェル社設計の改良型砲塔を装備していました。強力な71口径88mm砲と、車体前面150mm、側面80mmという分厚い装甲を備えていたとあります(ちなみにタイガーIの前面装甲が100mm、側面が80mmなので、キングタイガーの前面装甲はタイガーIの約1.5倍に強化されています)。

ドイツがキングタイガーの開発に着手した1943年初頭、ドイツとソビエト連邦の戦車開発競争は火力と装甲の激突の様相を呈していたと説明書にあります。そのため、大戦末期に登場したドイツ軍の量産型砲塔搭載戦車の最終形態としては、この時点で頂点に達していたのではないかと個人的には思っています。
説明を続けます。この量産型の砲塔はヘンシェル社とクルップ社が共同で設計した改良型の砲塔で(通称ヘンシェル砲塔)、防盾には段付きタイプと段のない滑らかな形状のものがあります。
このキットのコンセプトとしては、ヘンシェル砲塔を搭載したキングタイガーが活躍した「アルデンヌ戦線」に投入された車両が表現されています。キットの塗装説明では「武装親衛隊第501重戦車大隊所属」や「オーデル河戦線第502重戦車大隊所属」の迷彩パターンが紹介されています。
【塗装例】

上の画像は A: 204号車 アルデンヌ戦線/第501重戦車大隊所属
アルデンヌ戦線のドイツ機甲部隊の中核としてバイパー戦闘団に配属された車両です。

上の画像は C: 008号車 アルデンヌ戦線/第501重戦車大隊所属
ベルギーのトロア・ポン付近で放棄された車両です。

上の画像は D: 555号車 オーデル河戦線/第502重戦車大隊所属
第502重戦車大隊は1942年2月から3月にかけてキングタイガー約30輌を受領し、ドイツ東部での防衛線に投入されました。
アルデンヌ戦線に投入されたキングタイガーを再現しようとすると、迷彩パターンの再現は避けて通れない工程です。さらに、私自身未経験の工程である「光と影迷彩(アンブッシュ迷彩)」まで実施しなければならないようです。このあたりの表現は、説明書や資料をよく確認してから進めないと、うまく仕上げるのは難しいでしょう。今からその準備に入る必要がありそうです。
以前、TAMIYAのキット「キングタイガーポルシェ砲塔」を製作した経験がありますが(ポルシェ砲塔の製作記事はこちらです)、砲塔以外は同等の作り込のようですので、経験から組立自体にはそれほど時間はかからないと考えております。よってやはり時間と手間がかかる工程は塗装工程かと思われます。
このキットには「DKW NZ350」というバイクと伝令兵の人形も付属しています。バイクと人形の製作までたどり着けるか現時点では不明ですが、ここまで完成させて初めてこのキットの真の完成と言えるのかもしれません。頑張ってみようと思います。

それでは、タミヤ 1/35 ドイツ重戦車 キングタイガーのキット紹介記事はここまでとします。次回からは組み立て編となりますので、引き続きお付き合いください。