タミヤ 1/35 キングタイガー アルデンヌ戦線【完成レビュー】アンブッシュ迷彩作例と製作総まとめ

ドイツ重戦車キングタイガー(アルデンヌ戦線/ヘンシェル砲塔)

タミヤ1/35「キングタイガー アルデンヌ戦線」完成!
本記事では、組立から基本塗装、三色迷彩、アンブッシュ迷彩、そしてウェザリングまで、全工程を振り返りながら完成品を詳しくレビューします。

迷彩塗装の難しさやディテールアップのポイント、実際に感じたキットの完成度など、これから製作する方に役立つ情報をまとめました。

長期にわたる製作の集大成、ぜひ最後までご覧ください。

戦車兵とオートバイ兵

今回製作した「キングタイガー アルデンヌ戦線」には、戦車兵とオートバイ兵が付属します。キングタイガーの車体自体は完成しておりますが、戦車兵およびオートバイ、そしてオートバイ兵を完成させて、初めてこのアルデンヌ戦線仕様が完成したといえるでしょう。

上の写真がキットに付属するフィギアとオートバイです。

オートバイは「DKW NZ350」という軽量2サイクルのDKW製です。一通り組み立てた後に、サーフェーサー→マホガニー→ダークイエローをエアブラシで塗装。その後、筆塗りで細かい部分を塗り分けました。

その他に製作したのは、そのオートバイに乗せるオートバイ兵と戦車兵2体です。

戦車兵の塗装について

戦車兵は車長とコマンダーの2体ですが、このコマンダーが着ている軍服には迷彩が施されており、この再現にかなり手間取りました。戦車本体の迷彩でも緊張するのに、フィギュアのような細かな部分の迷彩はさらに緊張が伴いました。

説明書の迷彩パターンを読み解きながら細筆で何種類かの点を描き込み、なんとかそれらしく仕上げることができました。そして、時間をかけて仕上げたフィギュアたちを車体に配置するだけでも、戦場の緊張感を演出できたような気がして満足しています。

キットを製作しての振り返り

それではキット製作を振り返ってみたいと思います。

ヘンシェル砲塔とポルシェ砲塔

改めてになりますが、今回製作したキットはタミヤ1/35「キングタイガー アルデンヌ戦線」です。砲塔はヘンシェル社が開発したものを搭載しています。私の中ではキングタイガーといえば、このヘンシェル砲塔搭載車が真っ先に思い浮かびます。

キングタイガーにはポルシェ砲塔も存在します。ヘンシェル社との競合の中で先行して50両が生産されたとされています。50両以降は今回のヘンシェル砲塔に切り替わりました。こちらのblogでは過去に同じくタミヤのポルシェ砲塔の製作記事もアップしていますので、興味がある方はご覧いただければ幸いですポルシェ砲塔の製作記事はこちら)。

迷彩パターンについて

迷彩パターンといえば、この三色迷彩がキングタイガー(ヘンシェル砲塔)の定番だと思っています。今回のアルデンヌ戦線仕様では、基本色であるダークイエローの上にダークグリーンとレッドブラウンを描き込み(迷彩の記事はこちら)、さらにその上にアンブッシュ迷彩を(アンブッシュ迷彩の記事はこちら)施すことで、アルデンヌ作戦に臨むキングタイガーを再現しています。

迷彩の輪郭について

ここで迷彩の輪郭について少し私の見解を述べさせていただきます。迷彩の“ぼかし”についてです。

博物館などで現存するキングタイガーの写真や、他のモデラーの作品では、今回の私の完成品と比べて迷彩の輪郭がよりはっきりとしている場合が多く、つまり“ぼかし”がほとんどありません。

ぼかしのない迷彩の再現方法としては、筆塗りで輪郭をなぞる、あるいはエアブラシをより接近させてぼかしを極限まで抑える方法が考えられます。しかし、私の中にあるドイツ戦車迷彩のイメージはこの程度のぼかしがあるものであり、自然と今回の仕上がりになりました。

このぼかし加減は製作者の好みによる部分も大きいと思いますが、この違いひとつで作品の印象が大きく変わるのは面白いところです。

汚し表現について

戦車模型の醍醐味ともいえる汚し表現についてです。今回の手順は、基本塗装完了後に墨入れ→ドライブラシ→つや消しコート→タミヤ「ウェザリングマスターAセット」の“マッド”を使用し、アルデンヌの泥道を走行中に付着した泥汚れを再現しました。

ここで製作裏話ですが、最終仕上げとして使用したかったのはMr.カラーの「ウェザリングペースト」です。これを使って濡れた泥汚れを再現したかったのですが、近所の模型店を探してもどこにも置いていませんでした。

湿った泥汚れを表現できるため、アルデンヌ戦線の雰囲気にぴったりだと思っていたのですが、今回は使用できず残念です。

全国的に品薄なのでしょうか。結果として、前述のタミヤ ウェザリングマスターで仕上げることとなりました。この悔しさは次回作に持ち越したいと思います。

ディテールアップについて

今回製作したキングタイガー アルデンヌ戦線ですが、さすがタミヤのキットと言うべきか、組み立てはほとんどストレスなく進みます。パーツ数も過不足なく、非常にバランスの良い構成です。

ボッシュライトコード

組み立て自体はスムーズですが、キットのままでは再現されていない部分もあります。そのひとつがボッシュライトコードです。

再現方法としてはビニールコードや真鍮線を使う方法がありますが、今回は細径のプラ棒を少しずつ曲げながら接着していく方法を採用しました。使用したプラ棒がやや太かったため実物より太めの表現になりましたが、今回は良しとしています(ボッシュライトコード自作の記事はこちら)。

エンジングリルについて

ディテールアップとしてもうひとつ挙げられるのがエンジングリルです。この部分には「Passion Models」のエッチングパーツを使用しました。手軽に精密感が増すため、おすすめのパーツです。なお、タミヤからも同様の製品が販売されています(エンジングリの再現方法についての記事はこちら)。

難関の迷彩塗装について

塗装工程に関しては、サーフェーサー→マホガニー→基本色ダークイエロー(基本色の工程を紹介した記事はこちら)まではスムーズに進みます。

しかし、その次の工程から一気に難易度が上がります。ダークグリーンとレッドブラウンによる三色迷彩の再現です。基本塗装後に所属車両を決め、その車両の迷彩パターンを選択しますが、迷彩は車両ごとに異なります。

さらに、説明書だけで全ての面が把握できるとは限らず、不足分は資料を探すか想像で補う必要があります。

キングタイガーアルデンヌ戦線説明書

三色迷彩について

今回選択したのは実車の204号車の迷彩パターンです。情報量が多かったことが理由です。主に説明書や箱絵、タミヤ公式HPを参考にしました。ただし箱絵には落とし穴もあるため注意が必要です(迷彩途中の記事はこちら)。

参考となる情報があったからといって迷彩がうまく描けるとは限りません。そこは慎重に慎重を重ねてハンドピースを動かしていくわけですが、やはりすべてが思い通りに描けるわけでもありませんし、思わぬアクシデントが起きてしまい失敗してしまうかもしれません。

そのため、ある程度のリカバリー技術を持っておくと安心です。「失敗しても修正できる」という気持ちで取り組む方が作業はスムーズに進むと感じました(迷彩のリカバリー記事はこちら)。

アンブッシュ迷彩について

3色迷彩がうまくいったら次の難関はアンブッシュ迷彩です。この工程が難しいのは、木漏れ日を模した点を筆で再現していく過程で、その点の総数が多いことや、ダークイエロー、ダークグリーン、レッドブラウンの割合、そして点の表情をひとつづつ変えていかなければならないことです。

表情を変えるというのは、同じ点でも向きや大きさをランダムにすることで、単調な点の描きあがりを防ぐことで、ランダムに降り注ぐ森の木漏れ日に近づけることができるからです。このアンブッシュ迷彩にも大分時間を割きました。

キングタイガー(アルデンヌ戦線)の製作難易度・総合評価

さて、今回は、組立、基本塗装、迷彩、仕上げのそれぞれの工程での難易度を付けてみようと思います。これまでblogの中で紹介してきた戦車模型の製作を基準としていますので、あくまでも個人的な見解です。


■組立:☆☆(標準的)

 理由:タミヤらしくパーツ精度が高く製作時間のバランスからこの評価としました。


■基本塗装:☆☆(面積との戦い)

 理由:重戦車ならではの車体面積があり、塗料の消費量と塗り込みの時間を考慮したボリューム評価です。


■迷彩塗装:☆☆☆☆(今作の山場)

 理由:キングタイガー特有の三色迷彩とアンブッシュ迷彩が、高い集中力と時間を要する最難関の工程となりました。


■仕上げ:☆☆(根気の作業)

 理由:ウェザリングも面積に比例して時間がかかりますが、迷彩を終えた達成感で乗り切れる範囲の作業量です。


総合評価:☆☆☆

組み立てや基本塗装自体は、これまでの経験からすればスムーズに進められる内容です。しかし、この作品の真骨頂である「アンブッシュ迷彩」の工程が、全体の難易度と製作密度を大きく引き上げています。

「広い車体面積への丁寧な工作」と「複雑な迷彩への忍耐力」が求められる、非常に作りごたえのあるキットでした。また、アンブッシュ迷彩に挑戦したい方には特におすすめできるキットです


これでキングタイガー アルデンヌ戦線の製作記事は終了です。完成までかなりの時間を要し、関連記事も全20記事と長期連載となりました。

その分、内容は充実していますので、これから製作される方の参考になれば幸いです。

それでは次回作でお会いしましょう。


※ここからは完成写真を掲載します。アンブッシュ迷彩と汚し表現のバランスに注目してご覧ください。

完成写真ギャラリー


キングタイガーポルシェ砲塔の記事もどうぞ

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